南南西の風

風は南から。鹿児島でもがいてます。       26歳のアウトプットをどうぞ。

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「正欲」-朝井リョウ

タイトルのインパクトは十分。

(以下、たぶんネタバレなし)

 

なにかあるんだろうなと

思わせるカバー、

おいそれとスラスラ読ませてくれません。

メッセージが込められ、
それぞれの登場人物の

決してポジティブではない、
悲観的な想いが綴られています。

しかも、ネガティブ思考の方には
非常に共感しやすいと思います。

はい、僕がそうです。

 

 

やはりこの本のキーワードは
タイトルにある通り、

「性欲」です。

 

この本が当てたスポットライトの先は、
一般的にみて、

普通の性欲を「正欲」と定義し、
それから

どうしようもなく逸脱した人々。

 

私たちの想像もつかないくらい外れた人々。

 

今日では性的マイノリティ
LGBTQというワードを聞きますが、

 

それにすら漏れた人々が主役です。

 

人生に諦めかけた
同じ欲を持つ人たちが繋がりはじめ、
物語は好転していきます。

 

 

 

私たちが発している多様性という言葉。

さらに言えば、マイノリティを救うために
善意で発している言葉。


思いやりのつもりで言ったつもりでも、
それは単に自己満足でしかない。


その方達、マイノリティの中のマジョリティ

 

 

みな不安だから、同意を求める。
少数派になりたくないから、多数に良い顔をする。

 

舞台は現代、ならではの人間臭さを感じる物語です。

 


 

マイノリティのマイノリティなんて、


生き方はほぼ人間の姿をした怪物と同じなんじゃないか


この地球での社会生活はキツすぎる!

 

ほぼほぼ、妖怪人間ベム
ほぼほぼ、寄生獣

 

の世界。

 

だなと、読んでいて思ってしまいました笑

 

最後の終わり方も衝撃。
気持ちいいくらいの衝撃。

そして、


あれ?こんな事件、本当になかったっけ?


このゾッとする感じか好きだったので、
調べてません。笑

 

自分の想像では想像持つかない世界がありました!

 

そして、普段過ごしている中や、

関わる人たちも、想像もつかない悩みを抱えていたり、

現実の中にいるかもなと。

 

独特なメッセージのある、
考えされられる本です。

 

面白かった!

 

◯単行本

正欲

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◯文庫本

 

 

south-southwest-wind.hatenablog.com

 

 

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